その症状、男性更年期障害かも!? チェックリストで今すぐ確認!
ホルモン量が低下することで体に不調をきたす更年期障害。実は、この症状は女性だけではなく、男性にも起こりうることなのです。男性ホルモンが減ることで起きるさまざまな症状、その深刻度をチェックして、いつまでも活力に満ちた生活を送れるようにしましょう。
潜在患者数は約600万人!
男性更年期障害は「LOH症候群(Late Onset Hypogonadism 加齢性腺機能低下症)」と呼ばれ、男性ホルモン「テストステロン」生産量の低下により、発汗・ほてり・頭痛・疲労感・不眠・イライラ・うつ状態など、女性の更年期障害と同じような症状をもたらします。40代後半から50代後半の年代に多いとされていますが、60代、70代でも発症する可能性があるため、女性の更年期よりも長い間、不調に悩まされることもあるのです。
また、身体的症状や精神的症状のほか、ED(勃起障害)、早朝勃起の減少、性欲の低下などの性機能の症状にも現れます。一番自覚しやすい症状が、こうした性的機能の低下なのですが、受診するのに抵抗を感じる男性も少なくありません。そのため、LOH症候群の潜在的な患者数は、約600万人にも及ぶと推測されています。
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//LOH症候群は死亡リスクを高める
テストステロンが減ると、筋肉が減り、骨がもろくなるといった身体的症状が現れますが、同時に、精神面に大きく影響します。最近では、テストステロンの減少すると、うつ病を発症しやすくなるという報告もあります。(Endocr J 59(12);1099-105,2012)
人間、誰もが多かれ少なかれ、恐怖の記憶を持っています。それは、自分の体験だけでなく、事件や事故のニュースなど、見聞きしたことも含まれます。けれども、事故や事件に巻き込まれる不安や恐怖を常に感じていれば、何をするにも臆病になりすぎて日常生活は送れません。
そこで、テストステロンが、こうした記憶にフタをして脳内に押しとどめ、表に出さないようにしているのですが、この力が弱まることで、不安感が強くなってしまうのです。
それだけではありません。テストステロンが低いと、脳血管障害、心筋梗塞、がんなどのリスクが高まるとの報告も上がっています。(Circulation 116(23);2694-701,2007 )
このように、男性ホルモンが減少すると、心身ともに重大な影響を及ぼします。逆に考えれば、少しでもきになる兆候が現れたら、ホルモン量を調べることで、さまざまな病気を食い止めることができるというわけです。
男性更年期チェックリスト
心配な人は、まず以下のチェックリストを試してみてください。これは、「AMS質問票」と呼ばれるもので、世界的にLOH症候群の診断基準として使用されてます。
総合計が26点以下は異常なし、27点〜36点なら「軽度」、37点〜49点「中程度」、50点以上は「重篤」。50点以上の人は、すぐに病院に行くことをおすすめします。
症 状 | ない | 軽い | 中程度 | 重い | 非常に重い | |
1 | 総合的に調子が思わしくない (本人の感じ方) |
1 | 2 | 3 | 4 | 5 |
2 | 関節や筋肉の痛み (腰痛、関節痛、手足の痛み、背中の痛みなど) |
1 | 2 | 3 | 4 | 5 |
3 | ひどい発汗 (思いがけず突然汗が出る、緊張や運動とは関係なくほてる) |
1 | 2 | 3 | 4 | 5 |
4 | 睡眠の悩み (眠れない、寝つきが悪い、熟睡できない、眠りが浅い) |
1 | 2 | 3 | 4 | 5 |
5 | よく眠くなる、しばしば疲れを感じる | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 |
6 | イライラする (人に当たり散らす、些細なことで腹を立てたり不機嫌になる) |
1 | 2 | 3 | 4 | 5 |
7 | 以前より神経質になった (緊張しやすい、落ち着かない、じっとしていられない) |
1 | 2 | 3 | 4 | 5 |
8 | 不安感がある (パニック状態になる) |
1 | 2 | 3 | 4 | 5 |
9 | 体の疲労や行動力の減退 (行動力の低下、活動の減少、余暇活動に興味がない、達成感がない、自分を急かさないと何もしない) |
1 | 2 | 3 | 4 | 5 |
10 | 筋力の低下を感じる | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 |
11 | 憂うつな気分 (落ち込み、悲しみ、涙もろい、意欲がない、気分のむら、無用感) |
1 | 2 | 3 | 4 | 5 |
12 | 「絶頂期は過ぎた」と感じる | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 |
13 | 力尽きた、燃え尽きた、どん底状態だと感じる | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 |
14 | ヒゲの伸びが遅くなった | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 |
15 | 性的能力の衰えを感じる | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 |
16 | 早朝勃起(朝立ち)の回数の減少 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 |
17 | 性欲の低下 (セックスが楽しくない、性交の欲求が起きない) |
1 | 2 | 3 | 4 | 5 |
総合計
17点〜26点・・・異常なし
27点〜36点・・・軽度
37点〜49点・・・中程度
50点以上・・・重篤
軽度までであれば、それほど深刻になる必要はありませんが、中程度以上だった場合は生活習慣の見直しや念のための検査、50点以上だった場合はすぐにでも病院に行くことをおすすめします。
LOH症候群は、どの科で診てくれるの?
男性の更年期障害は、まだまだ認知度が高いので、どの科に受診すればいいのか悩む方も多いと思います。身体的な症状が現れている場合は「内科」や「泌尿器科」、精神的な症状が気になる人は「心療内科」や「精神科」。また、最近はメンズヘルス外来や男性更年期外来などを設置しているクリニックもあります。
診察内容がデリケートな問題を含んでいるので、女性が少ない病院がいいという人も多いと思います。かといって、男性更年期に特化したクリニックも行きにくいという人は「泌尿器科」がおすすめです。泌尿器科は、女性患者の比率が少なく、腎臓や尿管結石など、さまざまな症状で訪れる患者さんが多いので、精神的に楽だという声をよく聞きます。
かかりつけ医のいる人は、まずはそこに行ってみるのもいいと思います。EDなどの症状が言いにくい人も、頭痛や体のだるさなどを伝えるときに、「もしかしたら更年期かなという心配もあって」と付け加えると、適正な診察をして、必要に応じて病院を紹介してくれるはずです。
とにかく心配しているだけでは何事も解決しません。表に出ていないだけで隠れたLOH症候群は、大勢いるのですから、自分だけがと悩まず、まずは病院に行ってみることをおすすめします。
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