胃腸の調子が悪いときに何食べる? 消化の良い食事の基本
風邪やストレスなどが原因で、胃腸の調子が悪くなることがあります。また、加齢とともに消化機能が衰え、ちょっとした食べ過ぎや、油の多い食事の後で、胃もたれをすることもあります。そんなときこそ、消化の良い食べ物をバランス良くとらなくてはいけません。まずは、胃腸にやさしい食べ物の基本を知っておきましょう。胃酸過多、胃潰瘍、十二指腸潰瘍の食事療法の参考にもなりますよ。
胃腸にやさしい食べ物の基本
胃腸にやさしい食事の基本は「胃で消化しやすく」「腸に吸収されやすい」ということです。健康なときには体に良いとされている食べ物も、消化機能が衰えているときはNGということもあるので注意しましょう。
基本1 食物繊維や脂肪が少ないもの
血糖値の急な上昇を抑え、余分なコレステロールを吸収するなど、健康的な食生活に欠かせない食物繊維ですが、弱った胃腸にはNG!! 消化しにくいため胃腸に大きな負担がかかってしまいます。また、脂肪の多い食品も同じ理由から避けるようにしましょう。
さらに、食材は小さめに切ったり、ミキサーにかけるなど、極力やわらかくなるように調理すると消化が良くなります。
基本2 胃酸が出る食品を控える
胃酸は胃液に含まれる強い酸性の消化液で、胃の中のものを消化・殺菌します。胃酸が多くなりすぎると、弱った胃の粘膜がさらに傷ついてしまうので、香辛料や刺激物など、胃酸が出やすくなる食品は抑えるようにしましょう。
【胃酸の分泌をうながすNG食品】
× 香辛料が多く入ったもの(コショウや唐辛子など)
× 塩分の強い物(漬物など)
× 甘いもの(お菓子のほか、甘みの強い煮豆など)
× 酸味の強いもの(酢の物や柑橘類)
× アルコール
× 炭酸飲料
× カフェインの入った飲み物(コーヒー・紅茶・緑茶・烏龍茶など)
基本3 冷たいものを一気飲みしない
暑い時期は、冷たい飲み物を飲みたくなりますよね。でも冷たいものを一気に飲んだ後、お腹が痛くなったことはありませんか?
内臓の温度は体温よりもやや高めです。そこに大量に冷たいものが入ると、内臓が冷えて免疫機能の働きが鈍くなります。免疫力が下がれば、軽い症状で済むはずの病気が重症化してしまうのです。ちなみに、内臓の温度が1℃下がると、免疫力は30%近くも低下すると言われています。
つまり腹痛は、こうした危険を察知した体からの警告というわけです。過剰に反応が出た場合は胃けいれんになることもあるので、暑いからといって冷たいものをがぶ飲みするのはやめましょう。
消化の良い食品リスト
消化に良い◎ |
消化に悪い× |
|
穀物 | おかゆ、うどん、食パン | お茶漬け、チャーハン、菓子パン、ラーメンなどの中華麺、パスタ、日本そば |
魚介 | 鯛・タラ・カレイなどの白身魚(煮魚や蒸し魚が◎) | 干物、イカ、タコ、魚卵、うなぎなどの脂の多い魚 |
肉 | 鶏肉(ササミ・皮なしの胸肉)、脂の少ない赤身肉 | 脂の多い肉、ハム・ベーコンなどの加工肉、豚カツ、焼肉 |
卵 | 卵豆腐・茶碗蒸し・半熟卵 | 生卵 |
野菜・果物 | 繊維の少ない葉物野菜(ほうれん草、白菜など)、かぼちゃ、じゃがいも、バナナ、リンゴ | ごぼう・れんこん・たけのこなどの根菜、きのこ類、海藻類、パイナップル、柑橘類 |
乳製品 | 温めた牛乳、ポタージュスープ、ヨーグルトなど | 生クリーム(ケーキやシュークリームなど) |
大豆製品 | 豆腐、ひきわり納豆 | 枝豆、黒豆、生揚げ、油揚げ、がんもどき |
油脂 | バターやマヨネーズなど乳化された油脂(ただし少量) | ラードなどの動物油脂 |
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//まとめ
食べることができないと、体力が落ち、免疫力が低下して治る病気も治りません。「消化しやすい食材」を、「茹でる」「煮る」「蒸す」などの調理法で「やわらかく」し、「薄味」に仕上げる、という基本を押さえて、元気な胃腸を取り戻しましょう。